宿泊業界のマーケット概要!施設・客室数・稼働状況の推移

日本政府は「世界が訪れたくなる日本」を目指し、観光立国ビジョンを掲げ、観光産業振興に注力している。

訪日外国人を増やし、観光関連の消費を上げていく試みが様々行われているが、今回はその中で、「宿泊施設」にフォーカスをして、市場の概況やマーケット規模など、宿泊業界のマクロな数字を取りまとめてみた。

宿泊施設の業態

ホテルイメージ

 

基本的な定義として日本においては、旅館業法の第二条に規定された旅館業で、施設の構造や設備によってホテル営業・旅館営業・簡易宿所営業・下宿営業に分類しており、それぞれの内容、および「宿泊」の定義は次のような規定となっている。

  • 「ホテル営業」とは、洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。

  • 「旅館営業」とは、和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。

  • 「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多人数で共用する構造および設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。

  • 「下宿営業」とは、施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業をいう。

 

法律の定義以外にも、施設の収容人数・目的等によって様々な形態がある。

一口に宿泊施設といっても、下宿営業を除く、「ホテル」「旅館」「簡易宿所」の3大分類がある。

 

施設数・客室数の推移

毎年、厚生労働省が調査し発表される「衛生行政報告書」の中に、ホテル-旅館営業等の施設数の推移がある。

 

ホテル・旅館・簡易宿所の推移グラフ
出典:衛生行政報告

なかなか図ではわかりづらいため過去10年間のトレンドを解説すると、、

・旅館   :年々減少傾向にあり、過去10年間で、15,000件以上減少

・ホテル  :年々微増傾向にあり、過去10年間で、1,000件以上増加

・簡易宿所 :年々増加傾向にあり、過去10年間で、7,000件以上増加

 

さらに最新の2016年度のデータによると下記の数値となっている。

旅館   :39,489件 (前年比 ー1,172件)
ホテル  :10,101件 (前年比 +134件)
簡易宿所 :29,559件 (前年比 +2,390件)

 

旅館営業については減少の一途を辿っている一方で、ホテル営業、簡易宿所営業の数は増加し続けているというのが現在に日本のトレンド。

特に簡易宿所はこれまで500〜800件程度の増加だったが、ここ1年で2,000件以上増えている。

今後、訪日外国人の増加に伴い、ホテル建設や簡易宿所営業を取得した民泊施設の数はさらに増加していくことが予想される。

 

客室の稼働率

OCC
出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」

 

客室稼働率は全体で60.0%であり、ビジネスホテル(74.4%)、リゾートホテル(57.3%)では、平成22年の調査対象の拡充以降の最高値となった。

客室稼働率が80%を超えた都道府県は、シティホテルが11(平成27年:9)、ビジネスホテルが4(同:4)、リゾートホテルが2(同:2)であった。

特に、大阪府では、シティホテルの稼働率が年間を通じて、すべての月で80%を超えた。また、リゾートホテルの稼働率が89.3% 、シテイホテルの稼働率が87.9% 、ビジネスホテルの稼働率が85.4% となり、全国で最も高い値となった。

地方別の客室稼働率

 

地方別の客室稼働率
出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」

 

やはり地方によって客室稼働率は異なり、特に都市部(東京、大阪)は全国平均より非常に高い客室稼働率が出ている。

2015年の客室稼働率は、全国で60.5%と、調査開始以来、過去最高を記録。特に、東京都、大阪府は80%を超える高い客室稼働率となった。

 

まとめ

インバウンド需要により、旅行・宿泊業界は再度盛り上がりを見せており、市場も成長している。

その中でも細かくみて見ると、旅館は減少し、宿泊に特化したビジネスホテルやカプセルホテル、リーズナブルな価格で外国人受けが良いホステルなどが施設としては増えていくだろう。

東京オリンピックまでに深刻な客室不足が騒がれているように、宿泊需要に対して供給が追いついていない中、客室の稼働率はまだまだ上昇していくと考えられる。

今後は急激に成長している民泊領域が法整備含めてどのようになっていくかでマーケットの状況は変わっていくことが想定されるため、注視していきたい。

 

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