
ホテル、ホステルの客室販売にあたっては、OTAからいかに集客するかが鍵であることは間違いありません。
ただ、当たり前ですがOTAからの予約の場合、手数料として10〜20%を支払う必要があり、この手数料をなんとかして下げたいというのがホテル、ホステルなどの施設運営者の悩みではないでしょうか。
OTAの集客以外、すなわち自分達の公式サイトで直接予約してくれるお客様をどれだけ増やせるかが非常に大事です。
そこで今回は公式サイトでの予約を取るために必要なシステム「宿泊予約システム」(インターネット予約システムやBookingエンジン、自社予約エンジン等呼び名は複数ありますが)について解説します。
宿泊予約システムとは
公式サイト(自社ホームページ)で直接お客様からの予約を取る方法としては
電話番号を掲載 → 電話で予約を受付
問い合わせ/メールフォームにて予約を受付
などが一番原始的な方法だと思います。
しかし、上記の方法だと、電話やメールで対応できる時間が限られている、そもそも手間がかかるなど施設側の問題もあるし、お客様からしても予約を取ろうと思った時に即時予約が取れないなど大きなストレスになります。
宿泊予約システムを導入することで、公式サイト(自社ホームページ)から24時間365日プラン・お部屋の販売が可能になります。
インターネットでの即時応対を可能にし、お客様は部屋の在庫状況を見ながら予約を取ることができるため、販売機会を確実に売上に繋げることができます。
OTA経由の予約を公式サイトからの直接予約に流すことで、OTAへの手数料が軽減されます。もちろん、インターネットでの販売は自動ですのでこれまで電話やメール対応をしていた人的経費の削減にも大いに貢献します。
そしてほとんどの宿泊予約システムがサイトコントローラーと連携されているため、自社在庫だけ別で管理するなどの必要もなく、在庫管理も楽になります。
宿泊予約システムの主な機能
- プランの登録/表示/検索
- 部屋の登録/表示/検索
- 空室検索
- 販売数/在庫の管理、メンテナンス
- キャンセル受付
- 予約登録フォーム/ウィジェットの設定
- 自動返信メール設定
多言語対応やスマホ最適化対応などはオプションになっていることが多く、その場合は追加費用が発生します。
宿泊予約システムの比較
様々な会社から様々な製品が販売されています。
機能面を見ると出来ること出来ないことにそれほど大きな違いはないため、価格や使いやすさを見て施設に合ったものを決めましょう。
Direct in(ダイレクトイン)
ダイナテック社が提供している業界No,1の導入数を誇る宿泊管理システム。
2015年にYahoo社に買収され、Direct Inで作成したプランをそのままYahoo!トラベルに掲載され、Yahoo!トラベル用の新たなプランの作成や、在庫の再設定などの手間はかからないなど、シームレスな連携が可能となっています。
Yahoo社への買収前までも、高機能で操作がかんたんな管理画面で使い勝手が良い宿泊予約システムとして有名な製品のひとつです。
初期費用や月額利用費は、活用する施設の部屋数などによって変動。
予約プロプラス
アビリティコンサルタント社が提供するこちらも導入件数が多い宿泊管理システム。
デザインカスタマイズも簡単にでき、施設の公式サイトに合わせたデザインで予約フォームを作ることが可能。
多言語対応機能が無料のため、英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語・ベトナム語で表示するフォームを作成することができ、インバウンド対応としてはもってこいのシステム。
会員管理機能やクチコミ表示機能などもついており、高機能で使いやすいシステムになっている。
基本料金
初期設定 | 50,000円(税別) |
---|---|
月額 | 14,000円(税別) |
※HPより抜粋
予約番
株式会社キャディッシュが提供する初期費用無料の宿泊予約システム。
月額費用も1万円と非常にリーズナブルに様々な機能が使えるのが特徴。
導入施設も900件以上あり、ホテル、旅館、ホステルなど幅広い顧客に使われている。
OPTIMA S
施設の持つ公式サイトのデザインに合わせられるだけでなく、細かなオーダーに合わせてカスタマイズも可能。
「プラン検索」「予約確定」「チェックイン」「チェックアウト」という、顧客の一連の行動に対してのサポートおよびアプローチを、24時間・365日対応することで、利用施設導入実績は国内シェアNo.1を獲得するまでに成長しました。
詳細はあまりWebサイト上には乗っていないが、他の宿泊予約システムと違い、そもそもWebサイト自体がおしゃれなので、デザイン性の高い良いフォームを提供していることが伺える。
その他無料の宿泊予約システム
OTAが宿泊予約システムを提供しているケースがあり、そのOTAに在庫さえ出せば無料で活用ができるという大きなメリットがあります。
じゃらんnetのホームページダイレクト
楽天トラベルのR-with
手数料はかかってしまいますが、Booking.comも提供
ただあくまで無料なので、それほどの高機能性は期待出来ないため、コストと機能のバランスを考えて検討しましょう。
一歩先の宿泊予約システム「ダイナミックパッケージ」
ダイナミックパッケージとは、航空券などの交通手段とホテルなどの宿泊施設を顧客が自由に選択できる旅行商品を指します。
通常公式サイトで部屋またはプランを予約するだけですが、ダイナミックパッケージシステムを使うことで、航空会社、レンタカー、アクティビティなども一緒に予約できるようになり、宿泊者自身で旅行のパッケージ商品を作ることができるようになります。

ツアービルダーシステム
タイムデザイン社が提供するダイナミックパッケージ予約を実現するシステムです。
5つの特徴
- 宿泊施設サイトで国内線LCC3社を含む全13社の国内航空券を用いたダイナミックパッケージが販売可能
- 初期・月額費用は無し。完全成功報酬型なので安心(宿泊料金等に対して8%)
- 登録データを用いて航空会社などの他ダイナミックパッケージでも販売可能
- お客様からの問い合わせは弊社専用のコールセンターにて全て対応
- 空室在庫・料金を管理画面より自由にコントロール可能であり、各種空室・料金コントローラーにも対応

宿泊予約システムは必須のシステム
何度も言いますが、販売の機会損失を減らし、OTAの手数料削減にも繋がる宿泊予約システムの導入は必須です。
有料、無料のものがありますが、もし可能であれば有料のものを使うことを推奨します。
じゃらんnetのホームページダイレクトや楽天トラベルのR-withとの大きい違いは、多数のオプション(例えばお祝いのケーキやお花、一品料理など)の設置が出来、アップセル(単価アップ)が見込めるってトコロは便利ですし、管理画面の使い勝手も違います。
そして何より年末年始やGWなどの繁忙期、手数料のかからない自社予約のみで販売・集客出来る事は大きいです。
ホームページダイレクトやR-withは、どうしてもじゃらんnetや楽天トラベルに在庫を出さないと販売されませんので。
色々な会社の製品のカタログ問い合わせや営業担当から話を聞いて比較検討してみて下さい。